白人至上主義をめぐる衝突。そもそもリー将軍は人種差別の象徴なのか? |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

白人至上主義をめぐる衝突。そもそもリー将軍は人種差別の象徴なのか?

トランプによる「リー将軍」でゆがめられたもの

そもそもリー将軍は人種差別の象徴なのか?

 人種差別的な白人至上主義者に対するトランプ大統領の発言が問題視されている。

 事の発端は、アメリカ南部ヴァージニア州シャーロッツビルで、リー将軍の銅像撤去に反対する集会を開いたオルタナ右翼、KKK、ネオナチ等の人々と、その集会に抗議する人々が激しく衝突した事件にある。

 リー将軍とは、南北戦争における南部連合軍の総司令官で、奴隷制維持のために戦った南部連合を象徴する英雄だ。それ故、人種差別反対派は将軍像の撤去を求め、白人至上主義者は将軍を祀り上げるという構図になっている。

 だが、そもそもリー将軍とはどのような人物だったのか。実際のリー将軍とは、奴隷制と南部分離に反対し、一時はリンカーン大統領から北部連邦軍の最高司令官就任を要請されたほどの人物であった。

KEYWORDS:

オススメ記事

大賀 祐樹

おおが ゆうき

1980年生まれ。博士(学術)。専門は思想史。

著書に『リチャード・ローティ 1931-2007 リベラル・アイロニストの思想』(藤原書店)、『希望の思想 プラグマティズム入門』 (筑摩選書) がある。


この著者の記事一覧